『言葉の意味を一致させる』



「何度言っても、ぜんぜん違うアウトプットを持ってくるんですよ

。ったく…」

よくあるリーダーの嘆きですが、
まずは、そう嘆く前に、…そして諦めてしまう前に、
リーダーとして、上司として、<あなたが彼らにつかった言葉>を
もう一度、点検してみたほうがいいかもしれません。

自分では常識と思っている言葉も、
実は相手にとっては全く違うものをイメージさせることがあります

例えば、みなさん、山をイメージしてみてください。

ほら、どうでしょう。
イメージできましたか?

木がこんもりとしている山…でしょうか。
山といえば富士山!…と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
中には、木も生えてない鉱山のような山をイメージする方もいるかもしれません。

おそらく、同じ山をイメージすることはまれだと思います。
イメージとは、過去、その人が見たもの、読んだもの、体感したものから発生します。
そして、その体験自体はひとりとして同じものはありません。
なので、それぞれ、自分のもっている辞書の中の<言葉>と<その意味>が異なるのです。

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では、「営業」という言葉を聞いて、何をイメージしますか?

これは、私が、現場のスタッフたちに聞く質問。
すると、こんな回答が登場します。

ある部下は「①お客様の期待を形にして実現していく行為」と言い
ある部下は「②ヘコヘコして、お伺いを立てる」と言い、
ある部下は「③悪い商品を、だましてでも売りつける行為」と言う

たいへん面白かったのは、業績のいい営業スタッフや、業績のよい組織では、
①のようなに発言が実に多い。
一方、なかなか、業績のあがらない人たちは、実に②や③が多い。

これは、単なる偶然ではなく、
おそらく、その言葉に張り付いた意味にしたがって、行動をするからでしょう。

ある言葉に、どんな「意味」を乗せているのか。
その言葉に乗っている「意味」が、仮にネガティブなものだった場合、
おそらく「営業しよう!」と言っても、「営業」という行為は行動に移らないでしょう。

…よし、気合いれて営業しよう!
…よし、儲けていくぞ!

あなたのその一言で、思うような動きが発生しているのならばよいのですが、
まったく期待と異なる状態が目の前にあるならば、
言葉の意味が一致しているのか、チェックが必要です。

今の職場は、男女、年齢、国籍、派遣や契約、再雇用など…
雇用形態もさまざまで、昔のような均一性は、もはやありません。

今後、言葉と意味のとらえ方の違いは、今まで以上に、
さらに著しく異なっていくに違いありません。

そうした中、一つひとつの言葉の意味を定義し、確認し、
対話を通じて意味をすり合わせることが重要になってきています。

もちろん完全一致をすることが目的ではなく、
それぞれの辞書の違いをしっかりと受け入れ、学び合い…、

そんな中から、
「このチームでは、この組織では、うちの会社では、これでいくぞっ!!」

いろいろあるけど、私たちは、これを選ぶ!!
そうなるといいですよね。

あなたがしなくてはいけないこと、いろいろありそうです。
今日もきっと・・・I・W・D!