『酔っ払い運転』

 

大きなチャレンジを目の前にしたとき

失敗を恐れ、部下が一瞬ひるむ。

よくあることとです。

 

しかし、そんなとき、リーダーが、

こんなセリフをいう。

 

「全ての責任は、私が取るから…」

 

くぅー。

かっこいいですよね。

 

デキる上司の象徴のようなセリフ。

そして、映画や小説でも場面展開でよくあるセリフ。

 

でも…

 

一方で、この言葉をいうこと自体に

「酔いしれてしまっている」リーダーをたまにみかけます。笑

 

つまり、そのあと、責任をとったためしがない…という方。

 

酷いですよね。

部下からの信頼と、モチベーションはガタ落ち。

 

「あの人は、責任を取るっていっても、いざ失敗すると、

 部下を売って、保身に走るから気を付けたほうがいいよ」

 

とブラック上司として評判となり、

いずれ上司の上司も気づき、「リーダーとして不適格」として処分をされていきます。

ですから、一般的には自然に淘汰されていくケースがほとんどです。

(※もし、そういう上司が、淘汰されるシステムがない場合は、会社自体がブラックの要素を持ち合わせています)

 

 

しかし、こんなときは、もっと致命的です。それは…

この言葉をいうことに酔いしれている本人が、「経営トップ」の場合です。

 

 

一般的な淘汰システムが機能しにくいケースとしては…

 

たとえば、創業社長。

先見性の高さとリーダーシップで、創業以来、会社をぐんぐんと成長させてきたが、

あるときから、成功体験からくる慢心や、身近な幹部たちのYESマン化により、

現場やマーケットとの乖離が著しくなり、自ら打ち出す策のヒット率がどんどん低下していく…。

しかし、それを自責でとらえることができずに、部下や市場に問題があると他責のスタンスをとり続ける…。

 

雇われ社長、一般的な大企業の社長ならば、取る策、取る策が失敗に終われば、

ステークホルダーが黙ってはいませんので、自然と淘汰されますが、

未上場の創業社長の場合は、誰も引導を渡すことができません。

 

こういう状態であっても、でも、言ってしまうのです。

「私が責任を取ますから」と。

 

具体的な責任は、そのあと取られることなく、

(本人が辞めるまで、もしくは会社が倒産するまで)会社は暴走運転をしていきます。

 

 

また、

二代目、三代目社長も、きちんと時間をかけて帝王学をうけ、

責任と権限、そして、一般と同様な淘汰システムを通過しているならば問題はないのですが、

エスカレーターのように出世をしてしまうと、

「具体的な責任の取り方」を知らずに、トップになるケースもあります。

 

そうすると、ここでも、

「私が責任と取りますから」に酔いしれる、酔っ払い運転者が誕生するわけです。

 

こうした酔っ払い運転は、絶対に許されることではないのですが、

なかなか検挙することができないのが現実です。

 

どうしたらいいもんでしょうね…

多くの方が、被害にあわれています。

ご存知の方、ぜひ、教えてください。

 

今日もきっと・・・I・W・D!