部下を育成するにしても、
その部下のポテンシャルをどう図ればいいのか?…
とあるリーダーが教えてくれました。
「中島さんね、営業マンの力量を図るのに、
一発でわかる方法があるんですよ。
うちの会社ではね、社員が入社したらすぐに
銀座の高級鮨屋につれていくんです。
完全にアウェイの環境で、食べながら、どうしゃべるのか?
これは、そいつの力量、一発でわかりますよ。笑
それでね、そのあと高めのクラブにいって試すんです。
どうやって盛り上げるのか?
初めての場所で、準備をさせない状態で。
すると、その人のキャラクターや素がでる。
営業のスタイルが一発でわかる。百発百中。
いい、わるいは別として、そのあとの指導方法が一発でわかるんです」
おもしろいですよね。
皆さんも、そういったリトマス試験紙※があるのではないでしょうか?
(※:酸性なのか、アルカリ性なのかを判定するために用いられる試験紙のひとつ。)
私もコンサルティングファームやコーチングファームにいたとき、
何人もの後輩たち、部下たちをプロフェッショナルとして食えるようにするための
育成担当を20年してきたので、そういった試験紙がいくつもあります。
例えば、コーチングのスキルの中でも、基本中の基本に<ペーシング>があります。
クライアントと波長をあわせ、安心感と信頼関係を醸成していくのに欠かせません。
具体的な行動をあげたらきりがないのですが、うなづいたり、あいづちしたり、
相手の表情、態度、息遣いに至るまで、全てのペースをあわせていくわけですが、
このセンスがあるか、ないかをみるのに一発でわかる試験紙があります。
それは、<カラオケに連れてって歌わせる>です。笑
冗談かと思うかもしれませんが、経験的には…一発で見極められます! 笑
まずは、音感とリズム感。
これがない人は、ペーシングなどできません。
ですから悪いことはいいません。早く、違う道を探すべきでしょう。笑
やはり上級者は、リズム感はもちろん、その歌手のモノマネがめっちゃ上手い!
そもそもモノマネをするには、<なりきり力>が必要で、
いちいち恥ずかしがっていたり、自分の流儀にこだわりのある人、抵抗を示す人は、
のちのちの伸びがイマイチです。
著しく成長していく人は「マネる+学ぶ」で「まねぶ」が得意ともいいますが、
「まねぶ力」が高いと入社してからの伸びも、ものすごいわけです。
そしてモノマネの上手い人は、その歌手の個性を見極め、どこをどう強調すると
似ているように見えてるのかを一瞬にして理解し、表現することができる人。
このセンスがある人とない人では、コーチとしての成果も雲泥の差になるのは当たり前です。
あとは、インタビューログを書かせると、おもしろいですよ。
誰でもいいのでインタビューをしたものを、そのままログとして書き起こさせるのです。
これで、なにがわかるのか?
それは、<そもそも、人の話をきけているのか?、聞けてないか?>
が一発でわかります。
一時間のインタビューログだったら、
文字おこしをさせると、分量的にはたいだいA4で5~7枚。
それを、ただただ忠実に、話している内容をそのまま書きこむ人は…
かなり見込みがあります!!
少し厄介なのが、その分量が少ない人。4枚にみたないケースがあります。
そうなると何が起きているかというと、
主な理由に<聞き取れていない>、<書き取れていない>というケース。
インタビューの内容が専門的だったりすると、その専門用語に慣れてないため書き取れない。
もしくは、話し手のスピードがあまりにも速くて、聞き取れない、書き取れない、ということがおきるわけです。
ただ、これならば改善していく方法はあるので、まだましです。
しかし、すこし厄介なケースとしては、
<これは必要ない!と、勝手な判断で書きとめない>ということ。
判断をいれていいのは、中級以上になったとき。
初心者のときに、勝手な判断をいれるクセを、そのままにしておくと、
なかなか矯正が難しくなってしまいます。
そして、かなり厄介なのが、
<事実と解釈をごちゃごちゃにしてしまう>ということ。
インタビューを読んでいる私からすると、
「ん?これって、本当にこういったの?それとも君の意見??」
といちいち確認をしていかないといけないので、ものすごく時間がかかるわけで。
そして、この事実と解釈を切り分けでかくことが困難な人も実に多いのです。
人の話を、そのまま素直に聴けるコーチ?…なのか。
聞いているようで、勝手に自分の判断で聞き流すコーチ?…なのか。
はたまた、勝手に解釈をして取り違えるコーチ?…なのか。
インタビューログをとらせると、この人の「聞く能力」がわかるわけです。
最後のパターンですと、矯正するのにかなり時間がかかるのはご想像の通りです。
皆さんも、部下のポテンシャルや特徴を見極めるリトマス試験紙ありませんか?
多くの体験から作り上げたその叡智は、組織に還元されていますか?
暗黙知のままだと、実に、もったいない!
ぜひ、言葉にしてみましょう。
そして、組織で共有してみましょう。
きっと、組織力がぐぐっと向上していくかもしれません。
今日もきっと・・・I・W・D!