マネジメント経験が不十分な状態でも
海外赴任や、子会社出向などに伴い、
その人の実力以上の役職についてしまうことがあります。
ベンチャー企業の創業期は、
立ち上げメンバーのほとんどが取締役…。
部下が一人もいないのに、「部長」…
という役職名を乱発してしまっているところなど普通にあります。
オーナー家のご子息。
どこかの会社で一定期間、社会人修行をしますが、
ある程度の歳になったときに、会社に戻され、
本人の実力や実績とは別に、要職にいきなり就きます。
***
このことを「ポジション・インフレ」といい、
そのギャップをいち早く自らのラーニングテーマとし、
自ら自己啓発、自己成長させて、
ロールマッチングしていくことが重要です。
しかし、中には、そのタイトルを手にしてしまうことで、
勘違いして、舞い上がって、完全にうつつを抜かす人もいますし、
あたかも偉くなったかのように、
人が変わったように部下に対して横柄な言葉を使い始める人もいますし、
逆に、
そのタイトルは「いまの私には分不相応ですから」と先にエクスキューズして
マネジメントできないことで責められないように保身に走る人もいます。
いずれにしても、全くイケてません。笑
このままではその組織が崩壊することは時間の問題です。
「天爵(てんしゃく)を修めて、人爵(じんしゃく)これ従う」(孟子)
人爵ともいうべき地位・財産・利益・栄誉等を
直接の目的とするのは本末転倒であり、
天爵(最高品性)を修めれば、人爵はその結果として自然につき従う…ということ。
人の上に立つものが、
何かの拍子に人爵を得たからといって、
天爵を磨く努力をやめようものならば、滅びの路しかないわけです。
私も大企業からベンチャー企業へ転職し。
そのあと、ベンチャー企業から独立して起業。
タイトル的には、30代前半と若いうちから「常務」でしたし、
現在は「社長」になっていますが、同時にこの怖さも知っています。
天爵を磨き続けること、器を大きくし続けること…。
これは絶対に忘れてはいけないことだと思っています。
今日もきっと・・・I・W・D!