『それは、きっと、シミュレーション不足』

 

あるリーダーとの雑談でこう聞かれました。

 

「なんかね、すぐに顔にでる奴いるじゃないですか。

 あれって、なんなんでしょうかね?

 すぐ感情的になったり、ムッとしたり…。

 器が小さいっていうんでしょうかね。」

 

私はこうお応えしました

 

「それは、きっと、シミュレーション不足ですよ!」

 

 

私がお会いしてきた経営者やリーダーで、今回のお話のような

すぐに感情的になったり、顔に出る人は、それこそ何人もお逢いしてきましたが、

たいがいは、<シミュレーション不足>です。

 

部下の否定的な反応に、すぐ、ムッちゃう。

それは、シミュレーションしてないからなんです。

 

もし、超悲観的なシミュレーションを一回でもしておけば、

それは想定範囲内ですから、演技(対応)はできる。

でも、それをやっていないから演技できない(反応しちゃう)んです。

 

これまで、コンサルタントやコーチやら、部下や後輩たちを

お客様に一人前にして送り出すために、一番時間をかけるのはこのシミュレーション。

 

例えば、研修講師をする…となると、二つの技術が必要となります。

それは、レクチャーする部分と、質疑応答の部分。

 

実は、講師トレーニングで簡単なのはレクチャーの部分。

台本をいかに作りこむか、いかに演じるのか、なので、

それを覚えて、何回も練習し、お伝えすればたいていはOKなわけです。

なので、実は、レクチャーの部分では、その講師のそのものの実力は判定しにくいんです。

(もちろんセンスのない子は論外ですが…)

 

一番、差がでるのは、質疑応答の部分。

なんといっても、受講生からの質問には自由度がある。

どこから、どんなボールがくるのか、わかりません。

経験の浅い講師は、ここで慌てふためいてしまうわけです。

つまり<反応>してしまう。

 

なので、ここの部分をシミュレーションを重ねておく。

否定的な質問。突飛な質問。質問なのか自慢なのかわからない質問。…笑

もちろん、それだけでなく、講師に影響を与えるであろう全てのシチュエーション。

(たとえば、まったくの無反応とか、うなづきなし、とか…笑)

 

そうした状況や場面を想定し、そのときに、どう対応していくのか、を

イメージし、準備し、何回も繰り返していくと、演技(対応)ができる。

 

以前、こんなお話を聞きました。

とある有名な経営者が、学生相手の就職説明会の場に呼ばれ、

講演を依頼されたそうですが、学生の反応があまりにも薄かったため、

 

<今日はなんて反応が悪いんだ?私を誰だとおもっているのかっ!?>

…といって、お怒りになって帰って行ってしまったとのこと。

 

なんのこっちゃ…ですよね。苦笑

 

影響を与える立場なのに、影響うけてしまっている。

そういうことも想定し、そのときには、どう盛り上げていくのか、があなたの仕事なのに。

 

まぁ、これも…シミュレーション不足ですね。

 

あなたの周りでもいかがですか?

あなた自身もいかがですか?

 

部下とのやりとり。お客様とのやりとり。ミーティングでのやりとり。…

 

楽観的なシミュレーションもいいれど、

超悲観的なシミュレーションも一回やっておくと、顔にでなくなりますよ。

 

想定外な世の中ですが、

リーダーならば、日頃からなるたけ想定内を広げておかないとねっ!

 

今日もきっと・・・I・W・D!