『創造、醸成、破壊のサイクルをまわす』

「業績を上げ続けるチームを創るためには、なにをすればいいでしょうか?」

「職場風土を変えていきたいのですが、どうすればいいでしょうか?」

 

よくこうした問いかけをいただき、

このことをテーマにした講演や職場コンサルティングを

これまで少なく見積もっても1万人の方にはさせていただいてきています。

 

今日は、その時にお話させていただいているポイントを、ご紹介しますね。

 

業績を上げ続ける組織・チームにしたいときには、

重要なプロセスは、「創造⇒醸成⇒破壊のサイクルをまわす」ということ。

 

 

各フェーズで、何が必要なのかをポイントをまとめます。

__________________________

フェーズ1 慣性の創造:

新しい価値観や行動パターンをスタートさせること

 

フェーズ2 慣性の醸成:

新たにスタートしたものを、強化し、修正し、

ある状態や気運を徐々につくりだし、定着させること

 

フェーズ3 慣性の破壊:

その状態や気運を破り壊すこと

__________________________

 

 

まず、「慣性の創造」フェーズでは、

 

1)リセットする

2)現実に向き合う

3)行き先を共有する

4)行く能力をつける

5)行く気になる

 

まず、何か新しいことをはじめるときは、何かをやめてからはじめるのがポイント。

ここでいう「リセットする」とは、何かを始めるとき、無意識に、その職場の考え方、

価値観を反映した暗黙のルールや枠にとらわれてしまうことが実に多いものです。

この過去の慣性が、今度の新しい活動を押しつぶしてしまう可能性も非常に多く、

この慣性をリセットしておく必要があります。

そして、何かをはじめるときには、なぜはじめるのか?をメンバーが現実に向きあうこと。

ここが疎かにになると、ほぼ失敗するでしょう。そして、行き先を共有し、そこに行く能力をつけさせる、

また行く気を保てるようにしていくことが重要です。

 

私が、現場に入っていて痛感するのは、

組織やチームの業績を上げられないリーダーや上司のほとんどが、

この「慣性の創造フェーズ」でつまずいていることです。

 

 

     *****

 

「慣性の醸成」フェーズでは、

 

6)常にゴールを意識する

7)問いにより、自主性を育む

8)定期的にモニタリングする

9)承認により、成長実感を得る

10)なによりも楽しむ

 

新たに起こしていきたい慣性を強化し、進化させ、ゆっくりと育てていく醸成フェーズです。

強化するためには、常に、望ましい行動を示し、意識し続ける環境をつくる必要があります。

また、それは、リーダーが示すだけでなく、組織の中に内在するような組織に共有された「問い」と

なっていることが望ましいといえます。

 

また、当初、目指していた状態に近づけていくために、定期的に自己評価して、

どこまでこのチームが成長しているのか、進化しているのかをモニタリングしていくことが、

成長実感につながります。

 

望ましい行動を評価し強化していく一方で、望ましくない行動や慣性はここで消去しておく必要があります。

いずれにしても、この活動自体が「誰かにやらされたもの」ではなく、楽しさ、面白さ、を見出すことも、

このフェーズでのポイントといえましょう。

 

 

     *****

 

そして「慣性の破壊」フェーズでは、

 

11)目的に立ち返る

12)広げたら絞る

13)タブーに触れる

14)不平不満をリクエストに変える

15)枠を壊す

 

醸成フェーズを乗り越えた際に、よく起きる現象として

「活動が長期化すると本来の目的を見失いがちになる」があります。

 

目先の目標に目がいきやすく、「なぜ、この活動をしていきたいのか」「そもそも、どこにいきたいのか」を

いつも初心を忘れないようにしていくことが重要です。

 

また、醸成フェーズの後期では、多くの活動が活気をもって広がっていきます。

チームを分けたり、分科会を始めたりと。すると、急にエネルギーが下がることがよくあります。

チームにわけた瞬間に、そのチームの目標に目が行き、全体を見なくなってくる。

自分のチームの目標を達成したくなるために、全体が見られなくなります。

あれも、これも、手がつけたくなるのですが、あれも、これも、これが問題です。

結局、なにもできなくなる瞬間です。

いろいろあるけど、なにもできない、これは無力感・閉塞感の原因になります。注意が必要です。

 

また、こうしたときに、となりのチームがやっていることがわからなくなるために、

他のチームにちゃちゃをいれられなくなる。おかしいな、とおもっても指摘しづらくなる、ということが起きます。

 

また、醸成フェーズのときには、「良い行動を強化する」ことを徹底しているため、

組織に流れる慣性がある意味、強化されますが、

「心で思っていても、なかなかみんなの前で否定的なことをいえなくなってしまう」など、

これ自体が弊害になることがあるのです。

 

破壊フェーズでは、こうした流れを、意図的に破壊すること。

例えば、タブーに触れる、不平不満をリクエストに変える、などは、とても重要なポイントなります。

自分たちが創って、育ててきた慣性を、自らの手で破壊すること。

これができて初めて自己修正能力が搭載され、自走する組織への旅たちになります。

 

 

     *****

 

いかがですか?

業績を上げ続ける組織を創るためにのポイント。

チェックしてみてください。

 

そして、もし、あなたが企業変革をまさにこれからする、と

いうことで、前任者から引き継いだのであれば、

 

順番は、まず、「創造」から始める前に

「破壊」から始める必要があるかもしれませんね。

 

前任者が作ってきた創造物に

破壊をせずに、さらに創造しはじめると、

現場に起きることは、ただ「混乱」するだけですので。

 

今日もきっと・・・I・W・D!