ウルトラマラソン100キロのうち、
3割をすぎたところの第一関門。
私は、そこで力尽きてレース棄権をしました。
そこで収容された20名ほどのランナー。
10時20分に出発したリタイヤバスは、
ゴールまでの残りのコース、70kmを走ってくれます。
私は、ちょっとセンチメンタルな気持ちで、窓の外の風景を眺めていました。
ああ、この道をいまも走っている人がいるんだな、と。
ビデオの早回しで見ているようなもので、
私が体験したかった道を、どんどん速度をあげてみることができます。
そして、20分くらいしたときでしょうか。
ふと、私はこう思いました。
「これって、すごい経験かも!
だんだんとレベルの高い、走力のあるランナーが走っているリアルな今の様子を観察できるんだもの。
棄権したときの俺の周りはみな、完全に歩いていたけど(笑)
回収バスが出発して20分もすると、
み、み、みんな、いまも走ってるー!すごい!!
そして、トップランナーにいたっては、信じられないほどのスピードで走っている!!!」
と。
人は、なんとも易きに流されやすい生き物。
皆が歩いていると、歩きたくなる。
みんなが歩いているならば、まあ、いいや...と思ってしまう。
もう、勝手に「走ることを辞めてしまう」わけです。
あんなに、霧降高原のとき
伴走してくれたトップアスリートにひっぱられ、
踏ん張れていたのにも関わらず。
周りにあわせて、堕ちていく。
それも、自由落下のように。
本当に、強い意志を持ち合わせていないと
いとも簡単に流されてしまうものなんだな、と痛感しました。
そう思うと、
あのリタイヤバスでみることのできた「早い集団」の存在。
鍛えて、鍛えて、鍛えまくって、その集団のそばにいないと、
また、あの嫌ーーーな世界に引きづりこまれると思うと、
もう、やらないではいられない。
人生初のリタイアバスから見えた風景が
私をかえていきます。
今日もきっと・・・I・W・D!