· 

『リーディングのためのプロローグ』

リードしていくためには、始めから引っ張っていこうとすると、無理が生じます。

リードしていくためには、まずは「ペーシング」。

ペースをあわせることが重要です。

 

決して難しいことではありません。

すでに皆さんも普段行っていることです。

 

3歳くらいの子供と話すとき、思い出してください。

子供と話すときは、しゃがんで目線を合わせて話します。

決して、仁王立ちのまま、話す人はいません。笑

 

話すトーンは? 

…少し高めの声。

 

ペースは? 

…速めではなく、ゆっくりでしょう。

 

表情は笑顔で、話す内容は、子供の好きそうなキャラクターの話ですよね。

決して、子供あいてに、政治問題のことは話しません。笑

こうして、子供と話すとき、無意識に、大人側が子供側にペースをあわせているのです。

それは、そうすることによって、安心した関係を作れる、ということを知っているから。

 

子供だけではありません。

お年寄りには、お年寄りバージョン。

お客様には、お客様一人ひとりにあわせたバージョンを既にお持ちだと思います。

 

しかし、ここで、こんな声がよくあります。

 

「いや、中島さんのいうことはよくわかる。

 相手に合わせた方がいいってことは。

 でも、子供やお年寄り、そして、お客様には合わせるのはわかるけど、

 なんで、部下になんか、あわせなくちゃいけないの?

 それって、部下に迎合しているのではないでしょうか?」と。

 

頭ではわかっています。

子供に対して、お年寄りに対して、お客様に対して、

ペーシングをして安心関係、信頼関係を構築できることを。

 

しかし、つい部下になると、

<部下に合わせるのは迎合だ!>というメッセージで、

頭が一杯になってしまうのです。

 

でも、同じ人間ですから、原理は一緒。

ぜひ、そのメッセージが頭の中に流れたら、

このメッセージでそのメッセージを消し込むくらい流してほしい。

 

それは…

 

「ペーシングは迎合ではない。

 リーディングのためのプロローグである」

 

と。

 

私も、このペーシングは気をつけています。

 

たとえば、私が20代の後半のとき。

スーパーの店舗で、店舗活性化のプロジェクトに携わりました。

私がコンサルタントとして店舗にお邪魔して、朝礼でいきなり

「みなさんは変わる必要がある!まず、こういう行動に改めなさい!!」だなんて、

いきなり吼えはじめたら、きっとドン引きでしょう。笑

総スカンをくらって、孤立していくでしょう。

 

信頼関係が構築されていないところで、できていないところを指摘したり、

否定したりしても、全く聞き入れてくれなくなりますし、変化を促そうにも抵抗を生み、

後々、どう頑張っても埋めることのできない溝を作ってしまうことになります。

 

まずは、抵抗を生まないための工夫が必要です。

たとえば、店舗の現場に行くときの服装や身に着ける時計やメガネなどは、

それ用のものを用意しています。

使う言葉も、歩く速さも、ぜーんぶ合わせて、店舗の人にとけこみ、

私がそこに居ても違和感がない状態にします。

 

私の場合は、店にて自腹でお菓子やジュースを買って、バックヤードに入って、

パートの方々と談笑をすることにしています。いきなりは仕事の話はしない。

ニュースや世間話などの「どうでもいい話」を「笑い」を入れながらしばらくしています。

10分もすると、彼女たちは思うのです。

 

「どうやら、この人は、敵じゃないらしい・・・」って。

 

そういうサインが出始めてから、仕事の話にシフトしていきます。

この店舗ではどんなことで困っているのか。悩んでいるのか。

改善したいことはどんなことなのか。

本当は、どういう職場にしたいと思っているのか。

 

・・・を丁寧に現場で使う言葉などを多用しながら聞いていくと、

「この人は、敵じゃないらしい、もしかしたら、味方かも・・・・」となります。

 

それからです。

 

「○○がうまくいったら楽しいと思いませんか?」

「みんなで、一緒にやってみましょうか?」

という言葉に、彼女たちが目をキラキラさせはじめるのは。

 

人は、違いに敏感です。

ちょっとした違いに対して、自分とは違う「敵」

という位置づけにし、様子を見ようとします。

 

まずは、「同じ」であること。

これが不必要な抵抗を生みださないための重要なポイントです。

これが十分にできると、リーディングが可能な状態となります。

まずは、焦らずに、信頼関係、安心関係を作りましょう。

 

短期間で、チームの一体感を築き、高い業績を上げることに成功しているリーダーたちは、

地道に、異動前に赴任先のメンバーの名前を覚えたり、話をきいたり、

とにかくペーシングに心がけています。

「ペーシングは迎合ではない。リーディングのためのプロローグ」なのです。

 

 

*** 

このお話はありとあらゆるところで応用できます。

年上部下、ベテラン部下との関係に悩むリーダーも

実はここにヒントがあるかもしれません。

 

年上部下が抵抗したり、モチベーション下げたり、

業績さがったりするのにはワケがあります。

 

そして、そこに寄り添って、伴走して、

味方となって復活させるにも、原理原則があるわけです。

 

そんな方法を、今回リリースした新作Udemyでは、

いくつも紹介をしています。

 

数々の原理原則から編み出された魔法の言葉。

ぜひ、観ていただき、職場に還元していただければと思います。

 

 

昨日のメルマガを「チェックする

Udemyのコースの目次を「チェックする

 

今日もきっと・・・I・W・D!